生命保険は財産分与の対象になる?
離婚時に財産分与の対象となる財産にはいろいろあります。
ざっと挙げただけで以下の財産があり、生命保険も財産分与の対象となります。
現金
預貯金
財形貯金
株・有価証券
自動車
土地・建物などの不動産
学資保険
生命保険
美術品
高額な宝石や着物
ゴルフ会員権
年金
退職金(既に支払われたもの/将来支払われるもの)
家計のための借入金
子ども名義の預貯金
財産分与の対象となる生命保険額は?
離婚の基準時に解約したと仮定した場合の解約返戻金額が財産分与の対象となります。
財産分与の対象は、「婚姻期間中にその協力によって得た財産」ですので、婚姻後にかけていた生命保険だけが財産分与の対象となります。
婚姻前にかけていた生命保険は「特有財産」なので、財産分与の対象にはなりません。
社会人になると、多くの人は生命保険の契約をしますので、婚姻前から保険をかけている人が多いと思います。
婚姻前の保険期間は財産分与の対象にならないので、離婚の協議時にはそのことを自ら主張・立証しなければなりません。
立証するためには、言葉で主張するだけでは足りません。
客観的資料により、婚姻前からの契約であること、資金の流れを説明する必要があります。
生命保険が婚姻前からの契約の場合
婚姻前の保険期間は財産分与の対象にならないので、婚姻前の保険期間と、婚姻中の保険期間を分けなければなりません。
財産分与の計算方法ですが、婚姻時の解約返戻金額がわかる場合は、その金額を離婚時の解約返戻金額から差し引く方法で行ないます。
離婚の基準時の解約返戻金額 ー 婚姻時の解約返戻金額 = 財産分与の対象となる生命保険額
過去のある時点での解約返戻金額をについては、契約している生命保険会社に問い合わせてみましょう。
婚姻時の解約返戻金額がわからないときは、加入期間を按分する方法により、共有財産(婚姻期間中に築いた財産)の範囲を抽出することが一般的です。