養育費には時効はあるの?
離婚をするときに養育費についての取り決めをする夫婦もいれば、しないで離婚する夫婦もいます(協議離婚の場合、離婚届を出す前に公正証書を作成して養育費についての取り決めをしたほうがいいです!!)。
取り決めをした、という場合でも、離婚協議書や公正証書を作成する場合もあれば、裁判所の手続きを経て離婚する場合もあるでしょう。
あるいは口約束だけ、という場合もあります。
また、しっかりと養育費の取り決めをしたのに途中から養育費が支払われなくなることもあります。
養育費が途中で支払われなくなってしまった場合に、そのまま放っておくと、養育費を請求する権利が消滅してしまうことになります。
これを「時効(消滅時効)」といいます。
養育費には時効がない!という噂もありますが、本当のところはどうなのでしょうか?
時効は離婚するときの取り決めの方法によって異なる
養育費は一括で支払われることは稀で、毎月決まった額が支払われることがほとんどです。
この養育費のような債権のことを「定期給付債権」と言います。民法169条により、定期給付債権の時効は5年と定められています。
離婚協議書や公正証書で「毎月5万円を支払うこととする」と定めた場合、これは定期給付債権にあたるので、5年で消滅時効にかかります。
5年で消滅時効にかかるといっても、5年経つとまったく請求できなくなるわけではありません。
養育費のように毎月発生する債権は、5年経つと月毎に消滅していきます。
これに対し、裁判所の手続きを経て確定した調停調書や判決書の場合の消滅時効は10年になります。
こちらも養育費が月払いの場合は10年経った後、月毎に消滅していきます。
養育費の取り決めをしなかった場合には時効はない
養育費の取り決めをしないで離婚した場合には時効はありません。
養育費の負担は、離婚をして親権を持たなかったとしても親として当然の義務です。
ですから、離婚後しばらく過ぎたとしても、子供が未成年の間や経済的に自立するまでの間は、いつでも養育費を相手に請求することが出来ます。
養育費の時効のまとめ
■離婚協議書や離婚公正証書で定めた場合・・・5年
■離婚調停や養育費調停・審判、離婚訴訟による場合・・・10年
■養育費の取り決めをしなかった場合・・・時効なし