慰謝料の請求方法①
離婚と同時に慰謝料を請求する場合
■協議離婚の場合
夫婦の離婚についての話し合いの中で、離婚をすること自体の合意と合わせて慰謝料についても合意すれば夫婦の一方は慰謝料を請求することができます。
慰謝料の額や支払い方法も協議の中で決めればよいのです。
協議離婚の場合は、明確な離婚原因がない場合でも、夫婦の一方が慰謝料を要求し、他方がこれに応じない限り離婚できないような場合に、離婚を承諾させる条件として慰謝料の支払いを約束することも多いです。
慰謝料についての話し合いがまとまった場合は、支払う側が約束どおりに支払わなかった場合に強制執行ができるよう公正証書にしておくほうがいいでしょう。
■調停離婚の場合
夫婦間の協議では離婚することの合意に至らず、家庭裁判所の調停が行なわれる場合に、併せて慰謝料の請求について調停を申し立てることができます。
調停で話し合いがまとまり、調停調書が作成されれば、確定した判決又は確定した審判と同一の効力が付与され、支払義務がなされなかったときは強制執行を申し立てることができます。
■審判離婚の場合
調停で話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所は職権で、離婚とともに財産分与や慰謝料の支払いを命ずる審判をすることもできます。
この審判に対しては当事者から異議申し立てをすることができます。
異議申し立ては2週間以内にする必要があります。
異議申し立てがない場合には、確定判決と同一の効力が付与され、約束通りの支払いがなされない場合には強制執行を申し立てることができます。
審判が不服として2週間以内に異議申し立てがされた場合は審判は効力を失います。
■裁判離婚の場合
離婚についての争いは、いきなり訴訟を提起することはできません。
まず、家庭裁判所で調停を行なうことになっています(調停前置主義)。
調停での話し合いがまとまらず、調停不成立となれば、家庭裁判所に対して離婚と併せて慰謝料の支払いを求める訴訟を提起することになります。
慰謝料の支払いを命ずる判決が確定した場合は、これに基づき強制執行をすること
ができます。